INTERVIEW

-有識者の声-

電力・ガスの小売自由化により、エネルギーのベストミックス社会が到来するのではないか? これからは、ユーザー自身が供給されるエネルギーを選べるようになる。つまり、消費者のことを一番に考え、コンシューマーサイドにより密着した商品開発やサービスを提供する人たちが生き残っていくはず。 いや、生き残ってもらわないと困る。様々なエネルギー供給パターンがあり、消費者自身で選ぶ。それが一番いいのではないか。

そうなってくると、「情報」がカギとなる。いまの時代、ビックデータがあらゆる場面で活用されているが、エネルギー業界でも、非常に大事になってくると思われる。この情報分野で色々なソフトやソリューションを生み出していけるのは、やはりベンチャー企業。旧態依然とした大企業では決まった答えしか描きにくい。だからこそ、このエネルギーの世界でどんどんユニークなベンチャーが出てきて、新たな提案をしてもらいたい。いまのベンチャーの人たちは、ただ単にお金儲け目的ではなく、哲学を持った人が増えている。環境エネルギー投資には、こういう骨のあるベンチャー企業と大企業を結びつけて、新しいエネルギーソリューションを起こしてほしい。

プロフィール
1973年、株式会社住環境計画研究所を創設、所長に就任。経済産業省総合資源エネルギー調査会、環境省中央環境審議会、国土交通省社会資本整備審議会等、各種委員としても活躍。

この20年は情報革命の時代でした。しかし、次の時代は、エネルギー革命が起きると考えています。かつて、マイクロソフト、インテル、アップルなどのIT企業が登場し、我々の生活を一変させましたが、これからはエネルギーの分野で同じような大きなイノベーションが起きてくると思われます。このことは、人類にとって一番大きな足かせとなっているエネルギー問題や環境問題の解決にもつながります。

日本には大企業だけではなく、様々な分野で技術、ノウハウを持っている中堅中小企業が数多く立地しており、優れた職人やエンジニアにも恵まれています。エネルギー革命を実現するためには、家電や自動車などの製品だけでなく、ライフスタイルに関わるあらゆるもののイノベーションを起こしていく必要がありますが、そのためには、大企業、中小企業、ベンチャーが組織の壁を越えて有機的につながっていく必要があります。その「つなげる役割」を果たせるのが環境エネルギー投資だと期待しています。エネルギー革命の実現に向け、我々が今まったく想像できないような新しい商品やサービスを生み出すべく、世の中を動かしていただきたいと思います。

プロフィール
1999年より通商産業省(現経済産業省)にて自動車、エレクトロニクス、航空機などに関連する業務に従事。2014年に退官し、株式会社rimOnO(リモノ)を設立。現在は新しいコンセプトの電気自動車を開発中。

IBMでは欧米を中心として電力自由化に関連するプロジェクトを約250実施しています。日本でも「新電力」と呼ばれる新しい電力会社様向けの販売戦略、顧客システム開発など幅広く行っています。最近では、電力自由化に関連して、ベンチャー企業含めた新しい業種の方々が参画するビジネスも支援しています。今までの電力会社だけでつくられていたエネルギービジネスではなく、消費者との連携を実現する新しいビジネスが見つかってきています。

特にIoT分野は必ずしも大きな設備や組織がなくても、尖った良いアイデアを持っている会社であれば、十分に参画できると考えており、まさにベンチャー企業にとってはチャンスの時代です。今まで思いつかなかったようなビジネスモデルが、電力自由化以降に出てくるはずなので、様々なベンチャーの方々と一緒になってビジネスをつくっていくことができればと考えています。

プロフィール
企業間取引システム開発や電子商取引の開発リーダーを経て、2005年より電力ガスソリューションリーダー、2009年よりスマーターシティ事業にて 新電力も含めたエネルギー・ソリューションを担当。

電力自由化を機に、ITの進化もあいまって日本全国でエコハウスやスマートハウスが増えていくと考えています。今後、少子高齢化に伴い新築着工件数は減少するため、リノベーションやリフォームは重要な戦略オプションとなり、その際同時にスマートハウス化を進めていくのも良いアイデアの一つです。ここで重要なのは、四季や多様な文化を持つ日本では、地域や顧客によりニーズが異なることです。現場をよく知る地元の工務店や大工さんと組み、新たなビジネスを創っていくなどはベンチャーの土俵。

ベンチャー企業だと、例えば「ワンコインで」など小回りの利くサービスもできるので、一気に裾野が広がっていくチャンスがあると思います。オープンイノベーションにより、IoTなどの最新の技術や、多様なアイデアを取り入れながら新しいサービスを創り上げていく。そのような柔軟な動きが、ベンチャーやそれを支える投資家に期待されることではないでしょうか。

プロフィール
外資系コンサルティング企業で官公庁や流通業などの組織変革、IT戦略立案・実行等に従事。2010年より日本IBMのアライアンス新規事業開発分野、主に暮らしや家の社会インフラ事業を担当。